2020年8月7日
里山イノベーション研究会のキックオフ・イベント『第1回・里山みらい会議』が、上越市大島区田麦の「大島庄屋の家」にて開催されました!
会の設立総会自体は会員のみですでに行われていたのですが、本イベントは会のメンバーだけでなく、地域の町内会、市役所、県の方々に森林組合さんなど、私たちが活動の舞台にしている田麦ぶなの森園に関わりのある関係者の全員が集まり、「地域の里山資源をどう未来に繋いでいくか」ということをテーマに講演会と意見交換が行われました。
本来の計画では「ぶなの森」の中での円卓会議、というイメージだったのですが、残念ながら当日は小雨がパラつくお天気。少々の雨ならば、森の木々の下はそれほど雨に当たることないのですが、大事をとってメイン会場は庄屋の家に変更し、ぶなの森園には会議開催の前、参加者全員で現場の説明と記念写真の撮影に足を運びました。
会議の内容は、里山保全についての講演会と、関係者による意見交換会の2本立て。
講演会は、茨城県つくば市にある国立研究開発法人 森林研究・整備機構(新総合研究所)の研究員である三浦 覚様にお越しいただき『里山を未来につなぐ ~田麦ぶなの森園の魅力と可能性~』というタイトルでお話をいただきました。
- 日本の森林、戦後の大きな変化
- 世界の森林管理、森林を測り、知る
- 里山の暮らしの将来 ― 子どもや孫に何を残したいか
以上の三点について、専門的なデータも引用しながらの講演でしたが、地域のブナ林が各家庭の薪炭林であった時代を現に知っている集落の方々にとっては、まさに自分たちが経験してきた時代の流れを改めて認識する機会になったようです。そして近年、再生可能エネルギーや “持続可能な暮らし” というキーワードが注目されるようになり、他の地域でも興りつつある里山保全や里山を活かした社会づくりの取り組みについても、有益なヒントをたくさんいただくことができました!
その後は、意見交換会。
短い時間ではありましたが、これまでぶなの森園の維持管理作業を引き受けてこられた地元住民の方や……
これからぶなの森園やこの地域でやってみたいことがある当会メンバーのミニ・プレゼンテーション。
それに、地域づくりや里山保全の分野で関わりのある市や県の行政の方々からも出席とご意見・ご挨拶もいただき、
けっして十分な時間が取れたとは言い難かったものの、関係者全員の知恵とチカラを出し合って
今後も地域の里山の保全と有効活用を進めていこう!
という方向性を確認することができました。
その後は円座になっての懇親会が行われ、庄屋の家さんの仕出し弁当をつまみながら、ぶなの森園の歴史やこれからの未来像についてなど、ざっくばらんで闊達な話ができて大いに盛り上がりました。
新型コロナウイルスの影響で、会話時のフェイスガードやマスク着用、ソーシャルディスタンスの確保など、なかなか「人が集まる」ことが容易でない時期ではありましたが、お忙しい中ご参加いただいた皆様には心よりの御礼申し上げます。
日本の里山の明るい未来が、ここ田麦の地からも一葉芽生え、大きく立派に育っていきますように!